相続で大家デビュー!忘れていませんか、大事な手続(上)

親から賃貸不動産を相続し、思いがけず大家としての一歩を踏み出したAさん。
毎月安定して家賃収入が入るようになり、これまでよりも生活にゆとりが生まれていました。
会社員として働くAさんにとって、税金の手続といえば年末調整くらいです。
「会社がやってくれるもの」という認識が強く、特に自分で何かをする必要はないと思っていました。
しかし、そんなAさんに転機が訪れます。同僚との飲み会で、「その家賃収入、ちゃんと申告してるの?」と聞かれたのです。
Aさんは答えに詰まりました。家賃は受け取っているものの、特別な手続は何もしていなかったからです。
実はここに、多くの方が見落としがちな重要なポイントがあります。
相続によって取得した賃貸不動産から生じる家賃収入は、給与所得とは別に「不動産所得」として確定申告が必要になります。
つまり、会社の年末調整だけでは税務処理は完結しません。

年の途中で亡くなった方の場合、相続人が1月1日から死亡した日までに確定した所得金額及び税額を計算して、
相続の開始があったことを知った日の翌日から4カ月以内に申告と納税をしなければなりません。これを「準確定申告」と言います。
相続発生後の家賃収入については、相続人が確定申告をする必要があります。
青色申告の承認を受けていた被相続人の事業を相続により承継した場合の青色承認申請書提出期限は、相続開始を知った日の時期に応じてそれぞれ次のとおりです。
➀その死亡日がその年の1月1日から8月31日の場合・・・死亡の日から4カ月以内
➁その死亡日がその年の9月1日から10月31日の場合・・・その年の12月31日まで
➂その死亡日がその年の11月1日から12月31日の場合・・・翌年の2月15日まで
しかし、これらをすべて自分で対応するのは負担が大きく、誤りや申告漏れのリスクも伴います。
だからこそ、賃貸不動産を相続したタイミングで、税理士事務所に相談し、家賃収入の申告を任せる体制を整えておくことが重要です。
「家賃が入っている=順調」ではありません。正しく申告してはじめて、その収入は安心して手元に残るものになります。
次回は、見落としやすい「消費税」の手続きについて解説します。
賃貸不動産の相続後、どのような場合に消費税申告が必要になるのか、注意すべきポイントをわかりやすくご紹介します。
税理士法人光成会計事務所は相続や確定申告に関するご相談・ご質問を承っております。
相続をきっかけに大家となった方は、ぜひ一度、ご自身の申告状況を見直してみてください。
文責:阿部 はるか
参考HP:No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告) │国税庁
A1-8 所得税の青色申告承認申請手続 │国税庁
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